自然栽培

自然栽培とは【やさしく解説】

 

最近、「自然栽培」っていう言葉をたまに聞くけど、どういう意味なのかな?

他の農法で栽培されたモノとどう違うのか知りたいな。

 

そんな疑問をやさしく解説します。

この記事の内容

  • 自然栽培ってどんな農法
  • ほかの農法との違いは?
  • なぜ自然栽培で野菜が育つのか?
  • 私たちが自然栽培を続ける3つの理由
  • 自然栽培野菜を選ぶ時の注意点
エーイチ
この記事を書いている私は、自然栽培歴9年の専業農家です。

就農当初から6年間、木村秋則氏が提唱した自然栽培を学び、現在も自分たちの畑で試行錯誤を繰り返しつつ、全ての農産物を自然栽培で生産販売しています。

自然栽培ってどんな農法

一言でいえば、肥料も農薬も、堆肥や除草剤なども一切使わずに、作物を育てる農法です。

自然栽培

作物は、自然の力(太陽、大地、雨など)と、それ自身の生命力によって成長します。

農園主
そして私たち生産者は、作物が健全に育つことが出来るように、耕したり、防虫ネットを張ったり、草刈りをしたりという、作物の成長のお手伝いをしています。

 

他の農法との違いは?

農法 自然栽培 有機栽培 慣行栽培
(一般的な農法)
化学肥料 使わない 使わない 使う
有機肥料 使わない 使う 使う場合もある
農薬 使わない 有機JAS規格で認められた農薬は利用可能 使う
メリット 環境に対する付加が非常に小さく、作物の安全性も極めて高い。 環境に対する付加が小さく、作物の安全性も高い。 成長が早く、大規模栽培に向くため、価格も安くできる。
デメリット 作物の生長が遅く手間もかかるため、大規模生産には向かず、価格はやや高め。 手間がかかり大規模生産は難しい。また有機認証取得のためのコストもかかるため、価格はやや高め。 環境に対する付加が他の栽培と比べて大きい。また作物の残留農薬を気にする消費者には向かない。

なぜ自然栽培で野菜が育つのか?

疑問を持つ人
「どうして肥料も農薬も使わずに野菜が育つの?」

という質問はよく聞かれます。

そんな時は、「山の景色を見てください」とお答えしています。

山では誰も肥料や農薬をやらなくても、木々はあんなに大きく立派に育っています。

それはなぜでしょうか・・・・?

そこには自然の循環があるからに他なりません。

つまり、秋に葉が散って、それを土中の生物が分解して豊かな土に変えてくれます。もちろんそれ以外にも、日光や雨をはじめ、山で暮らす小動物や昆虫類、雑草や菌類なども自然の循環にそれぞれ大切な役割を担っています。

それらの活動によって土が肥え、あんなに大きな木々が生きていける環境が作られています。

ポイント

私たちはこの山の自然に習い、それに近い環境を再現できるように畑を管理することによって、肥料も農薬も使わずに野菜が育つ畑環境を整えています。

また、農薬を使わなくても病気や虫に負けないよう、適地適温による旬の栽培を心がけることによって、作物が健康に育つことを何よりも大切にしています。

その結果、肥料も農薬も使わない自然栽培という農法でも立派な野菜を育てることができるのです。

私たちが自然栽培を続ける3つの理由

自然栽培の農作業

私たちが就農以来自然栽培にこだわり続ける理由は以下の3つです。

  1. 環境にやさしい農法だから
  2. 安全な食べ物を生産できるから
  3. おいしいから

環境にやさしい農法だから

肥料や農薬を使用すると、その一部は空気中に蒸散したり、雨水と共に地下水を汚染し、その水が海洋汚染へと繋がります。

一方、肥料も農薬も使わない自然栽培は、そのような環境に与える負荷はとても小さく、子どもたちに美しい自然を引き継いでいける最適な農法であると考えています。

安全な食べ物を生産できるから

窒素は植物の成長に欠かせない栄養素ですが、与えすぎると作物の中に「硝酸態窒素」が残留し、ブルーベビー症候群などのように人体に影響を及ぼす可能性があります

一方、肥料を一切与えない自然栽培においては畑が窒素過多になることはありません。また農薬も一切使わないことから、残留農薬なども気にせずに、まるごと野菜を味わっていただくことができます。

「人が健康のために毎日食べる野菜は安全でなければ意味がない」と私たちは考えています。

おいしいから

「自然栽培の野菜はおいしい」とよく言われます。理由はいろいろありますが、1つは肥料を使わないため、野菜が急速に成長せず、自然のペースでじっくり育ちます。そのため水っぽくなく綿密な構造になり、しっかりとした味わいになるからと考えています。

また旬の生産にこだわることにより、健康で栄養価が高く育つこともおいしく感じる要因と考えます。

自然栽培野菜を選ぶ時の注意点

ポイント

自然栽培には、有機JAS規格のような統一規格がありません。そのため自然栽培を行う農家間の認識もまちまちであるといわざるを得ません。

そこで消費者がしっかりと生産者をチェックして選ぶ必要があります。

自然栽培生産者のチェックポイント

  • WEBサイト等でしっかりと理念や栽培方法が開示されているか?
  • 農場は常にオープンで、見学なども積極的に受け入れているか?
  • 疑問点などの問い合わせにも親切に答えてくれるか?
エーイチ
自然栽培の生産者はそれほど多くありませんが、これらのポイントをしっかりとチェックして、信頼できる生産者から自然栽培野菜を購入するようにしましょう。 皆さまの食生活がさらに豊かになることを願っています。

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