肥料や農薬を一切使わないのが「自然栽培」だけど、緑肥も使わないの?
そんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 緑肥の目的
- 自然栽培の緑肥利用
- 自然栽培ではどうするか?
「自然栽培では緑肥も使わないの?」という質問をいただいたので、ここで解説したいと思います。
緑肥の目的
緑肥とは、栽培した植物をそのまま耕運して土にすき込むことで、畑に肥料を供給することを目的としたモノです。
雑草をすき込んで緑肥とする人もいますが、一般的にはイネ科(エン麦、ライ麦など)やマメ科(クローバー、ヘアリーベッチなど)の種を畑にまいて栽培し、作物を植える少し前にトラクターで耕して生のまま畑にすき込みます。
緑肥によって効果が異なるため、生産者は自身が必要な効果に応じて緑肥を使い分けます。
自然栽培の緑肥利用
結論を先に言えば、自然栽培では緑肥を利用しません。
理由は次のとおりです。
- 自然栽培は肥料を使わない農法だから
- 生の植物を畑にすき込むべきではない
この2つについて掘り下げて解説します。
自然栽培は肥料を使わない農法だから
「自然栽培」では肥料としての効果を期待して、畑に何かを入れるのはNGです。
化学肥料や有機肥料はもちろんのこと、堆肥や緑肥も肥料である以上同様と考えるべきです。
生の植物を畑にすき込むべきではない
「自然栽培」では、生の植物をそのまま畑にすき込むことはしません。なぜならそれは「不自然」だからです。
自然栽培は山で大きな木が肥料も農薬も使わずに元気に育っている姿を手本としています。そこでは落ち葉が堆積して、それを様々な生物が分解して豊かな土に変えるという循環があります。決していきなり生の草が土の中に入ることはありません。
自然栽培ではどうするか?
では、山の自然を畑で再現するために、自然栽培ではどうするのかを簡単に解説します。
写真を見ると草をしっかりと生やしていますが、これは緑肥としての効果を狙ったものではなく、畑の土を人の歩行や、雨から保護することを目的としています。草は人に踏まれたり、時間とともに枯れて土に返るのが基本です。
ただ、これだけだと時間がかかりますので、少し自然のサイクルを加速する手段はあります。
例えば、長く伸びすぎた草は刈って通路などに敷いておきます。するとこれが太陽や雨による風化作用によってバラバラになり、水分も抜けてカサカサの状態になります。そのまま置いておいても良いのですが、この状態になってからトラクターで浅く土にすき込むのはアリです。そうすることにより土中微生物による分解を早めてくれるからです。
ただしこれは畑に種をまいたり、苗を定植する直前にやるのはおすすめしません。気温などにもよりますが、それらの作業の2ヶ月ほど前に行えば、種をまいたり苗を定植したりする時には、しっかりと分解されていて、作物の生長を阻害しませんのでおすすめです。
よく農業で「土作り」という言葉を耳にしますが、人間は土など作れません。土は自然によって時間をかけて作られます。だから生産者はその自然の営みを邪魔しないように、出来るだけ畑を自然に近い状態にしておくよう心がけることが大切です。
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