自然栽培や、無農薬の野菜に興味があるけど、虫喰いだらけの野菜だったらいやだな。
やっぱり農薬を使わないと、野菜はきれいに育たないのかな?
今回はそんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 自然栽培の虫に対する考え方
- 私たちの経験談
- 野菜を虫喰いだらけにしないコツ
- まとめ
実は今日はじめて私たちの野菜を買いに来たお客さまから、「野菜がきれいですね」と言われました。その方は「自然栽培」の野菜だからもっと虫喰いだらけなんだろうと思っていたようです。
「虫喰いは安全な野菜の証」という考えが世間にはありますが、それって本当でしょうか?
この疑問について、私たちの経験を元にお話しします。
自然栽培の虫に対する考え方
上の写真は全て私たちの農園(ナチュラルハート)で採れた「自然栽培」の野菜です。
虫喰いもほとんどなく、どれもピカピカです。農薬など一切使っていないのにどうしてでしょうか?
木村秋則さんの著書「自然栽培ひとすじに」の中にこんな一文があります。
自然環境のなかでは、無駄なもの、過剰なものは生成されません。もし何かが過剰になったとしても、それを摂取、分解する役割のものが現れて、バランスを回復させるのです。
つまり、肥料や堆肥などは過剰な養分であって、それを元の正常な状態に戻すために虫が食べてくれているというわけです。
ポイント
だから予め肥料や堆肥など、過剰な養分を与えていない自然栽培の野菜には虫が来ない
というのが、自然栽培の虫に対する考え方です。
私たちの経験談
それでは私たちの経験談を交えて、この考え方をもう少し深掘りしてみたいと思います。
私たちの農園(ナチュラルハート)でも、「自然栽培」を始めた当初は、ずいぶんと虫に野菜を食べられました。特に被害がひどいのは、今の時期の葉物野菜たちです。昆虫たちは子孫を残すために葉物野菜に卵を産み付け、そこでかえった幼虫たちが葉っぱを食い荒らすのです。
この当時は、畑を借りたばかりでしたので、きっと前に畑を使っていた方が入れた肥料分が残っていたのか、何度も草を刈ってそれを畑にすき込んでいくうちに、自然と畑が養分過多になってしまったかのどちらかでしょう。
この当時は本当に出荷できる野菜が少なくて苦労しました。「自然栽培」を始めても、このきつい時期を乗り越えられずに止めて行く人がほとんどです。
ところが、コツコツと続けて5年を過ぎた頃から、どんどん野菜がきれいになってきました。やっと畑から過剰な養分が抜けて正常な状態に戻ったのでしょう。この頃から虫喰いに悩まされることも減り、自信を持って出荷できるようになりました。
また、その頃からマルシェで野菜を売っていると、よくお客さまから「これは作り物ですか?」と聞かれるようになりました。
これは特に夏野菜に多かった話ですが、野菜があまりにもピカピカなので、遠目だと偽物のようにみえたようです。
そうは言っても、私たちは何も虫対策をしていない訳ではありません。
ポイント
自然栽培では生産者が肥料や農薬の代わりになる
ですので、「防虫ネットを張ってキャベツに蝶が卵を産み付けないようにする」などのポイントを抑えた対策はやっています。
野菜を虫喰いだらけにしないコツ
「他に何かコツは?」と聞かれたら、次の2つをお伝えしています。
虫を呼び込まないコツ
- 土中の空気の通りをよくする
- 雑草を活用する
それぞれについて解説します。
土中の空気の通りをよくする
土中の空気の通りが悪いと、根が酸欠状態になり作物の生育に影響が出ます。不健康な野菜にはすぐに虫が寄ってきて食べ尽くしてしまいますので、野菜を健康に育てる必要があります。
土中の空気の通りをよくするには、土を粗めに耕して、水はけを良くするのがコツです。
雑草を活用する
畑に雑草を生やすと、
- 作物に虫が集中しない
- 害虫の天敵となる益虫の住みかが出来る
などの効果が生まれます。
雑草の活用方法については、別記事「自然栽培成功の秘訣【②草の管理】1/2」で詳しく解説していますので、併せてお読みください。
まとめ
この記事では、自然栽培の虫に対する考え方と、その証拠となる私たちの経験談をお話しました。
結論をいえば、当然全ての自然栽培の野菜に虫喰いがない訳ではありません。ただ言えることは、自然栽培が完成に近づくにつれて、虫喰いがほとんどなくなり、おどろくほどきれいな野菜が採れるようになります。
その道のりは決して楽ではありませんが、進む価値はあったと思っています 🙂
ナチュラルハートは皆さまに本物の野菜をお届けします!